最近は高校生で起業して活躍する人も増えています。
得られる情報媒体の増加や、働き方の多様化が高校生起業家の後押しをしています。
また、国や投資家から高校生向けの起業支援が受けられるなど、以前より高校生が起業できる環境が整ってきていることも理由の1つとして考えられます。
そうは言っても、身の回りに起業している高校生はなかなかいないですよね。
この記事にたどり着いたあなたは、次のように考えているのではないでしょうか?
- 高校生で起業したいけど、何から始めたらいいのかわからない…
- そもそも自分は起業に向いているのかわからない…
ここでは、高校生が起業するために必要な準備や、起業を成功させるためにすべきことを解説します。
起業に成功している人の特徴についてもお伝えするので、起業する際に参考にしてみてください。
高校生でも起業できるの?
結論から言うと、起業するのに年齢制限はないため、親権者の同意があれば、高校生でも起業はできます。
実際に、これまでも多くの高校生起業家が誕生しています。
ここからは、起業するにあたって、具体的にやらなければいけないことを紹介します。
高校生が起業するために必要な準備
さあ起業しよう!と思っても何から始めていいか分からないですよね。
「株式会社設立のために必要なこと」「高校生起業だからこそ必要なこと」など、起業するにはいくつか準備が必要になるので、確認していきましょう。
親権者の同意を得る
高校生でも株式会社を設立することはできますが、親権者の同意を得る必要があります。
なぜなら、未成年者が会社設立などの法律行為をするためには、親権者(法定代理人)の同意が必要であると民法で定められているからです。
そのため、高校生が株式会社を設立するときは、親権者からの同意が必須となります。
親権者の考え方によっては、ここが一番の障壁になるかもしれないですね。
事業アイデアを調べる
高校生で起業家になりたいからといって、しっかり事業アイデアを練らないと事業は成功しません。
事業アイデアとは、単にやってみたい事業を考えるのではなく、収益を生み出すビジネスモデルを考えることです。
また、その収益を生み出すビジネスモデルは、他の人が行っていない、新しい事業である必要があります。
事業アイデアを見つけるためには、周りの出来事や新聞、ニュース、本、セミナーに参加するなど、さまざまなことにアンテナを張り巡らせ、情報収集する必要があるでしょう。
会社や事業目的などの基本事項を決定する
株式会社を設立するためには、その会社について、基本事項を決める必要があります。
基本事項は下記の通りです。
①商号(会社名)
まず会社名となる「商号」を決めます。商号が決まったら、法人登記後の手続きで必要になる「会社印」も準備しておきましょう。
②事業目的
自社が「どんな事業をしている会社」なのかを明らかにする必要があります。あまり多く書きすぎると、不信感を持たれる可能性があるため気をつけましょう。
③本店所在地(会社住所)
自宅を会社住所に設定することも可能です。ただし、場所によっては法人契約ができないことがあるため、事前に調べておきましょう。
資本金を用意する
株式会社を設立するには、資本金が必要です。
法律上は、資本金が1円でも会社を設立できますが、初期投資や運転資金のことを考慮すると、実際にはそれだけでは足りません。
また、起業した後に銀行からの融資を検討している場合は、ある程度の資本金が必要になります。
さらに、事業内容によっては「許認可」が必要なこともあります。
許認可とは、特定の事業を行うために行政機関から取得する必要のある許可のことです。ここでの行政機関は、警察署・保健所・都道府県となります。
機関によっては、許認可を受ける要件に資本金金額に条件を設けていることもあります。
そのため、資本金は事業規模や起業後の展開まで考慮して、準備を進めていきましょう。
定款や登記書類などを作成する
ここまでの流れができたら、いよいよ株式会社の設立に必要な事前準備ができたと言えるでしょう。
この後、定款を作成し、法務局で法人登記の手続きを行います。
定款とは、会社名や所在地、事業目的などの基本事項をまとめた、公的な文書のことです。
作成した定款は本店所在地を管轄する公証役場などで、公証人による認証を受ける必要があります。
公証役場で定款の認証を受けたら、法務局で設立登記して法人登記が完了です。
法人登記に必要な書類は、法務局のHPを確認してみてください。
高校生が起業を成功させるためにするべきこと
高校生が起業するにあたって、必要な手続きについては理解できたでしょうか。
ここからは、起業を成功させるために必要なことを解説していきます。
起業アイデアを思いつくためのヒント
アメリカで有名な実業家のジェームス・W・ヤング氏の代表著書「アイデアのつくり方」では、アイデアを思いつく際の核として次の2つが挙げられています。
- 既存の要素の新しい組み合わせを探すこと
- 関係のない複数の既存要素の間で関連性を見つけること
例えば、「週末の日中だけカレー屋さんをやりたい会社員」と「バーの店舗」があります。
一見これら2つの要素には、全く関係性がないように見えます。
ですが、実はこれらには「日中の店舗利用」というニーズに関連性があります。
週末だけ借りられる飲食店用のテナントを予算内で見つけ出すのは至難の業ですが、既存店舗を決まった時間だけ利用するとなれば、賃料は抑えられるでしょう。
一方、既存店舗側のバーのオーナーからすれば、使っていない日中の時間帯に店舗を貸し出すことで、賃料収入を得ることができます。
このようにして、2つの新しいビジネスが生まれることがあります。
また、ビジネスの本質は「お客様の悩みを解決すること」とよく言われます。
自分や家族、友人など身近な人が困っていることがあれば、それを解決しようとすることで、新しいビジネスアイデアが生まれることもあります。
これまでに成功してきた企業も、こういった「悩みの解決」からビジネスをスタートした企業は多いです。
まずは、人から「ありがとう」を言われることは何かを考えて、事業アイデアを練ってみるのも良いと思います。
高校生が起業を成功させるためのポイント
高校生など学生の起業家が最初にぶつかる代表的な壁として「資金不足」があります。
この問題をクリアするには、
- 借金をする
- ビジネスコンテストで賞金を勝ち取る
- 国の補助金や助成金制度を活用する
など、方法はさまざまです。
ただし、「お金がなくても起業する方法はある」ことを覚えておいて欲しいです。
- 小さく事業を始める
- 無料で使えるソフトやサービスを活用する
これらは、お金がなくても起業できる一例ですね。
必要なお金は使うべきですが、使う前に「本当に必要なお金なのか?」「お金をかけずにだできる代替手段はないか?」と考える癖をつけましょう。
そして、必要なときに大きな金額を動かせるように備えておきましょう。
成功している高校生起業家の特徴5選
身の回りの高校生で起業している人は、ほとんどいないと思います。どんな人が成功できるのかわからないですよね。
ここでは、成功している高校生起業家の特徴を5つ挙げるので、是非参考にしてみてください。
スモールビジネスから始める
成功している高校生起業家の特徴の一つは、スモールビジネスから始めていることです。
スモールビジネスとは、1人や少人数で行うビジネスのことです。
高校生だと資金調達が難しかったり、起業時には運転資金がかさむため、いきなり大きい事業を始めるのではなく、小さな事業から始めましょう。
そうすれば、自分の力でビジネスを進める力が身につき、スキマ産業などに参入できる可能性も高まります。
スモールビジネスで手応えを感じたら、さらなる事業戦略やマーケティングを考え、事業を拡大していきましょう。
早くから行動する
スマホゲームアプリ「パズドラ」で有名な、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社を創業した孫泰蔵さんは、次のようにおっしゃっています。
「僕は学生時代から起業していたから、40代でパズドラがヒットするまで、100以上の事業立ち上げに取り組むことができた」
起業してもすぐに上手く行くことはなかなかありません。
しかし、高校生から挑戦し始めると、例えば15歳で起業して40歳までの25年間も、トライ&エラーを繰り返せることになります。
30歳で起業すれば、40歳まで10年間しかありません。
早くから挑戦を始めれば、試行錯誤できる時間も増えて、最終的に成功を掴む可能性も高くなるのです。
高校生という早い時期から、まずは行動してみましょう。
マネタイズしやすいビジネスから取り組む
高校生起業家の弱点は、社会経験や情報量の圧倒的な少なさです。
そのため、最初に立ち上げる事業で、収益性や継続性がある事業アイデアを思いつくことは、なかなか難しいと思います。
まずは、マネタイズしやすい事業から始めて事業を軌道に乗せましょう。
小さな成功体験を積んで、マネタイズした事業資金を元に、新しい事業に挑戦し続けるというやり方がおすすめです。
スマートフォンがこの10年で急速に普及したように、近年は社会の変化スピードがとても早いです。
起業の不確実性が高いからこそ、最初に始める事業は着実にお金が稼ぎやすい事業から始めることで、成功率を高めていきましょう。
ビジネスコンテストに参加する
高校生が起業を考えるときに、資金問題に直面することはよくありますが、この資金問題を解決するために、ビジネスコンテストに参加してみるのがおすすめです。
ビジネスコンテストとは、参加者のビジネスプラン・アイデアを審査するコンテストのことです。
ビジネスコンテストでは、自身の事業で成功している経営者や業界に精通する人、有識者の大学教授などが支援や審査をしていることが多いです。
審査に進むことができれば、事業計画書のフィードバックもらうことができ、成功に近づくためのより良い事業計画書を作ることができます。
もし、コンテストで優勝できたら、直接的に事業や資金面でのサポートも受けられるかもしれません。
例え優勝できなくても、普段出会えないような人たちと接することができるため、幅広い人脈が得られるでしょう。
ビジネスコンテストの例として、日本政策金融公庫では「高校生ビジネスプラン・グランプリ」という大会を開催しています。
参加することで、日本公庫の職員からビジネスプランのアドバイスをもらえます。
「高校生ビジネスプラン・グランプリ」以外にも、最近は高校生起業家を対象としたセミナーやプロジェクトが多数開催されています。起業を考えている人は、自身が対象となるイベントに参加してみましょう。
自分の強みを知る
高校生起業家が行う事業は、最初のうちは自分のスキルを武器に展開していくケースが多いです。
そのため、まずは自分の強みを知っておく必要があります。
ビジネスの根幹は「誰かの課題・悩みを解決する」ことです。自分の強みを活かせる領域で起業をすれば、誰かの悩みを解決することができ、より成功へ近づきやすくなるでしょう。
まとめ
この記事では、高校生が起業するために必要な準備や、起業に成功している高校生の特徴などを解説しました。
起業というと「難しくてハードルが高いもの」と思っている人も多いかもしれません。しかし、実際に高校生で起業して成功している先輩たちもいます。
まずは、自分を知り、世の中に目を向け、事業アイデアを考えることから始めてみましょう。
失敗を恐れず、たくさん試行錯誤して、成功に一歩ずつ近づいていきましょうね。