背負わなくていいリスクは背負いたくないのが人間です。
起業に関しても、いくら挑戦したい気持ちがあるとはいえ、失敗のリスクを考えて躊躇してしまう人が多いと思います。
では、ビジネスの成功と失敗を左右する要因はなんなのでしょうか?
この記事では、起業の成功率とビジネスの成功・失敗をわける要因について解説します。
この記事を読んで起業の成功・失敗要因を知ることで、事前にリスクへの対処方法を検討しておくことができます。
リスクヘッジをした上で、ぜひ起業にチャレンジしてみてください。
起業の成功率は?
起業する方にとって最も気になるのは「起業は果たして成功するのか?」ということだと思います。
人生をかけて起業するわけですから、誰でも成功を収めたいですよね。
こちらでは一般に公開されているデータをもとに、起業の成功率について紹介します。
起業はほとんど失敗する?
「起業は9割が失敗する」という言葉を、よく耳にすると思います。実態はどうなのでしょうか。
2017年の中小起業白書によると、独立して起業した人の5年以内の起業失敗率は18.3%です。(参考:中小企業白書 19ページ参照)
つまり裏をかえせば8割の起業が成功しています。
しかし、重要なのはこの5年以降も、長く事業を継続していくことです。
一部のデータによると、20年後には99.7%の事業が存続していないという極めて高い失敗率となっていることがわかります。(参考:日経ビジネス電子版)
20年経つと社会情勢も変わりますし、事業継承などの問題も出てくるため、これらの要因も含まれていると考えられます。
「起業の9割が失敗する」という言葉は、このデータからきているのだと読み取れます。
起業の成功率は業種やビジネスによって異なる?
起業の成功率と、競合の数は関係性があります。当然、競合が少ないほうが有利であるといえます。
競合の数が多い市場で起業すると、数多く存在する競合の中に埋もれてしまい、次第に淘汰されていくのは目に見えています。
また、実店舗の有無によっても成功率は大きく左右されます。
店舗を持つと「家賃、光熱費」などの固定費が継続的に発生することになるからです。
一般的に、固定費の中でも多くの割合を占めるのが「人件費」です。人を雇用していると必ず人件費が発生してきます。
人件費は固定費として、事業を継続していくと大きくのしかかってくるので、事業が軌道に乗るまでは可能な限り少なくしておきたいところです。
まずは、ランニングコストを抑えることができる事業から始めてみるのも良いと思います。
起業の成功率を高める方法は?
では、起業の成功率を高めるにはどうすればよいのでしょうか。
こちらでは、以下の5つに焦点を当て紹介していきます。
起業目的を明確にする
まず起業の目的を明確化しましょう。
- 「やりたいこともないし、とりあえず会社でも作ってみよう」というAさん
- 「自分のビジネスで社会問題を解決したい」と考えるBさん
あなたならどちらを応援しますか?
Bさんを選ぶ方が多いのではないでしょうか。
両者を比較した場合、信念がある方が信頼されるのは分かりきっていますよね。
もちろん行動力だけで進んでいくのも決して悪いことではありません。
しかし、この起業目的を明確にしておくことで、事業計画や事業の拡大といった将来性が広がります。
綿密な事業計画を立てる
起業目的をより詳細に具体化したものが「事業計画」です。
事業計画書を作成するときは、事業のコンセプトや事業内容、ターゲットや業界の分析が必要になります。
また、事業の提携先・販売経路・資金繰りなどについても洗い出しておきましょう。
事業計画の段階でマーケティング調査をはじめ、リスク分析まで一通り検討しておくことが重要です。
想定外のことが起こるのは仕方がありませんが、最低限の準備をしておき、事前にリスクヘッジしましょう。
スモールスタートを意識する
事業はスモールスタート(小さくはじめること)が大原則です。
例えば、
- 売り手が決まっていないのに大量生産する
- 事業開始直後から資金を投入する
- 見込みがないのに20店舗出す
など、事業開始直後から大きくチャンスをつかみにいく人もいます。
しかし、いきなり一世一代の大勝負に出る必要はありません。
堅実に事業を成長させるには、小さく始めて段階を踏んでいきましょう。
ライバルの少ない業種を狙う
競合他社が少ない分野(地域)を狙うのは、基本にして非常に重要な考え方です。
なぜなら、ビジネスチャンスが眠っている可能性が高く、ライバルが少ないことが非常に大きなアドバンテージになるからです。
参入障壁が低い業種を分析し、狙ってみるのもありですね。
ただし、一点注意したいのは、市場から『本当に必要とされるのか』という点です。
企画しているビジネス自体が、その市場にとって必要でなければ、そもそもビジネスとしては成り立ちません。
成長できる環境に身を置く
周囲の環境というのは非常に大切です。
「3年B組金八先生」というドラマでも『腐ったみかんの方程式』という例えがありました。
これは1人の不良少年がクラスのみんなに悪影響を与えてしまうことを、段ボール箱に入った腐ったみかんに例えたもの。
これは一般的にも言えることで、周囲の環境と価値観は重要であることを伝えています。
影響を受けるのであれば、成長できるような起業家との付き合いも重要です。
近年ではシェアワークオフィスなども普及しているので、自分の成長を求めて利用してみるのも一つの手です。
起業に失敗する理由3選
では、起業に失敗してしまう理由はなんなのでしょうか。
こちらではこの理由を、特に重要な以下の3点に絞って紹介していきます。
- 営業・集客力不足
- 競合の多い分野への参入
- 仲間割れ
営業・集客力不足
一般的に、集客のためには自社を売り込む「営業力」が必要です。
製品やサービスの要点を理解し、伝える技術を高めましょう。
またビジネスを広げていくには、さまざまな人脈が大切です。
起業の成功者には、人とのつながりを大事にする方が多いことは周知の事実です。
良い人脈を広げて収益につなげていきましょう。
競合の多い分野への参入
既に市場が存在している分野で事業を開始した場合は、後発企業として競合との競争を避けることはできません。
競合が多い市場に参入した場合、早くから事業を開始している競合他社の方がノウハウを多く蓄積している可能性が高く、より競争のハードルが高くなります。
それを覚悟した上で競争の激しい市場に参入する場合は、業界が驚くようなアイデアや付加価値をもった商材を展開することで、成功する確率が上がります。
仲間割れ
付き合いの長い友人と起業する方も多くいますが、起業の失敗理由で多いのが仲間割れです。
もともと友人だからこそ、気楽に相談できる点があったりとメリットも多い反面、
- コミュニケーションが煩雑になりがち
- 方向性の違いがあると激しくぶつかり合う
- 友人から仕事仲間になり冷めてしまう
などのデメリットがあるのも事実です。
また過去の悪行などのイメージが強く残っていると、「あんなことしてたお前に言われたくない」と感情的に強く反発してしまうなども理由としてよく挙げられています。
起業する際のよくある質問
このほか、一般的な起業する際のよくある質問についても解説します。
学生でも起業できる?
もちろん学生でも起業できます。
最近では大学在学中に起業する、学生起業家も増えてきています。
若いうちから様々な経験をするのも大切です。
学生起業家で有名な方をあげると、
- ソフトバンクグループ 孫正義氏
- リクルート 江副浩正氏
- Meta(Facebook) マーク・ザッカーバーグ氏
- マイクロソフト ビル・ゲイツ氏
など、超一流の経営者たちも学生時代に起業しています。
学生の場合、資金繰りが大変ですが、興味があるのであれば起業してみるもの良いでしょう。
どういう人が成功しやすい?
起業家のうち、多くの成功者がもっている共通点は、決して優れた学歴があることではありません。
成功する人の特徴を簡単にまとめると、以下ような5点が挙げられます。
①人から好かれる
交友関係・人脈が広がることで、ビジネスチャンスが広がる。
②時間を大切にする
限られた時間の中で、成功に向けた行動の優先度を付けて、最大出力で仕事を進めている。
③誠実である
失敗やフィードバックを素直に受け入れ、改善を繰り返していく。
④経験が豊富
明確なビジネスプランのもと、実務経験を積んでいる。
⑤メンター(助言者)の存在
成功者からのアドバイスを直接受けられる。
まとめ
この記事では「起業の成功率」と「成功・失敗の要因」について解説しました。
事業の存続率は、
- 5年後 82.7%
- 20年後 0.3%
と、短期では起業は上手くいく反面、長期経営のハードルが高いということをお伝えしました。
また、起業の成功率を高める方法として、以下の5つを紹介しました。
- 起業目的を明確にする
- 綿密な事業計画を立てる
- スモールスタートを意識する
- ライバルの少ない業種を狙う
- 成長できる環境に身を置く
起業の成功率は決して高くはありません。
しかし、ポイントを押さえておくことで、成功率を高めることもできます。
また、起業を成功させるには、数多くの成功事例・失敗事例を知っておくことも重要です。
過去の事例から原因を探り、学びを得ておくことによって、自分が起業する際に成功率を向上させることができます。
起業を成功に導くポイントを押さえ、失敗のリスクヘッジをした上で、ぜひ起業にチャレンジしてみてください。